[シャーロック・ホームズの冒険] [シャーロック・ホームズの思い出] 読感【3】

 ベーカー街駅前のシャーロック・ホームズ像

今回も前回から引き続きシャーロック・ホームズシリーズを読んでいきます。

今回読んだのはこちらの4冊‼
『シャーロック・ホームズの冒険 上下』『シャーロック・ホームズの思い出 上下』です。

目次

『シャーロック・ホームズの冒険』

まずはこちら!
『シャーロック・ホームズの冒険 上下』



シャーロックホームズシリーズの第三段。短編集第一弾ですね。
この短編集は犯人や当事者が前もって登場していて読者も読んでいく中で推理できるような話が多かったですね。
私としては「唇のねじれた男」のオチが面白おかしくて好きです。
話の構成としては「赤毛連盟」や「ボコムス谷の謎」は読み応えがあり良かったです。

下巻は全体として怖い描写が多かったように思います。
「まだらのバンドの冒険」の依頼人の姉の死亡シーンや「銅ブナ荘の冒険」の監禁部屋がある棟に侵入してそこから逃げ出してきた女性を見る男の表情の描写など読んでいて恐怖を覚えました。
その分「青いカーバンクルの冒険」など犯人が間抜けと言うか気が弱いというか読んでいて面白かったです。

ところで「緑柱石の宝冠の冒険」で宝石は戻ったといっても宝冠は壊れたままですし名が明かされなかった「イギリスで最も身分の高い、最も高貴な、最も尊いお名前」の人は壊れた王冠を見てどう思ったのでしょう?
いくら宝石が帰ってきても預かり品を壊してしまっているので大変な問題になりそうな気がするのですが・・・・。


『シャーロック・ホームズの思い出』

次に読んだのは『シャーロック・ホームズの思い出 上下』

『冒険』に引き続き『思い出』です。
タイトルの『思い出』ですが、訳者によっては『回想』になっているようですね。

今回はワトソンと出会う前のホームズの活躍が描かれる過去編があってホームズと言うキャラクターが掘り下げられ、よりキャラクターに厚みが出たと思います。

しかし、ホームズは意外に友人が多いみたいですね。
「ライゲートの大地主」の冒頭の描写を見てもとんでもない変人なのに、だから私はワトソンと出会うまでホームズはボッチだとばかり思っていましたw
「黄色い顔」はホームズシリーズ初と言ってもいいハッピーエンドといいますか誰一人不幸な人が出ない話で良いですね。
たまにはあんな話が合ってもいいなと思いました。
何分推理小説の特性上不幸な出来事が多いですから・・・・。

この巻の最後、「最後の事件」でホームズの宿敵モリアーティー教授が登場するわけですが思っていたより唐突ですね。
てっきり宿敵と言うぐらいには、それまでの色々な事件にチラチラと影が見え隠れしていてこの「最後の事件」で直接対決が起こると勝手に思っていました。

読後 

思い出下巻のラストでホームズはライヘンバッハの滝に落ちて死んだことになりホームズシリーズは一度終わるのですね。
そもそも、この頃のコナン・ドイルは、シャーロック・ホームズシリーズの人気ばかり上がり、自身の他作品が、ホームズの陰に隠れてしまうことに不満を持ちいかにホームズ作品を終わらせるかを考えていたようで、その手段がホームズに匹敵する頭脳+組織力を持つモリアーティー教授だったようです。
また、『シャーロック・ホームズの思い出』の出版自体渋っており出版社に高額な報酬を吹っ掛け諦めさせようとしています。
しかし、出版社側が吹っ掛けた金額を了承してしまったため執筆せざるを得なくなってしまったという経緯があります。
せっかくの世界的に知られている作品なのに作者はあまり同作が好きではなかったというのは面白いですね。

さて、そんなシャーロック・ホームズシリーズですがこの後長編『バスカビル家の犬』が出版されることになります。
しかし、時系列としては「最後の事件」の前であり、シャーロック・ホームズの完全復活は『シャーロック・ホームズの帰還』まで待つことになります。

次回は『バスカビル家の犬』の感想をあげたいと思います。


いじょ~流水でした。


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この記事を書いた人

歴史好き/読書好きな一般サラリーマン
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