[功利主義者の読書術] 本の紹介【66】 

佐藤優の読書本第2弾!!

目次

今回の紹介本

今回紹介する本はこちら!
タイトル:[功利主義者の読書術


著者:佐藤 優
ジャンル:読書術

以前読んだ『読書の技法』(本の紹介【38】)のように読書技術を体系としてまとめたものと思い図書館で借りてきましたが予想とは違うものでした。
石原真理子さんの「ふぞろいな秘密」から「新約聖書」にいたるまで取り上げた様々な本を著者が功利主義的観点から読み解きそこから得られたものを綴ってあります。
芸能本や漫画をそんな風に読むの!?という驚きと、功利主義の視点で見るとそんなものが見えてくるの!?という二重の驚きがありました。
石原真理子さんの「ふぞろいな秘密」から著者が読み解いた相手を非難せずに貶める術は舌を巻き、また漫画「うずまき」を現代の資本主義社会と類推して捉えている部分は興味深かった。

以前読んだ『知の教室』(本の紹介【58】 )で「うずまき」の作者との対談が載っていました。
その中で作者の伊藤潤二さんが「そんなことまで考えていませんよ(笑」と言っていたことを今回著者の見解を読んで思い出しました。
楽しむ読書もいいですが同じ本を別の視点で読むとまた違う発見があって面白いということに気づかせてくれる一冊でした。

個人的に後書きで引用されていた対談が興味深かったです。
それは宇野弘蔵と河盛好蔵の対談でその中で宇野の「小説は我々の心情を通してインテリにするものだと思うのです。自分は今こういう所にいるんだということを知ること、それがインテリになるということだというわけです。(中略)小説は自分の心理的な状態を明らかにしてくれるといってよいのではないでしょうか。読んでいて同感するということは自分を見ることになるのではないでしょうか。」
これを読んだ機に著者は断っていた小説を解禁したそうで、この部分は著者が小説による代理経験という考えを持つきっかけになったのではないかと思います。
何冊か同じ作家さんの本を読んでいると「あ~、これがキッカケか~」といった気づきがあり面白いですね。

流水

それではまた次回
いじょ~流水でした!

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この記事を書いた人

歴史好き/読書好きな一般サラリーマン
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