[カエサル] 本の紹介【36】

賽は投げられた!

目次

今回の紹介本

今回紹介する本はこちら!
タイトル:[カエサル]


著者:長谷川 博隆
ジャンル:心理学

流水の感想

「賽は投げられた。」「ブルータス(ブルートゥス)お前もか。」の言葉で知られるカエサル。

ローマでの出世と政敵との駆け引き、より強力な地盤と軍事力、ディグニタス(勢望)を求めてガリアの属州知事に、そこからガリア戦役へ。

そして政敵ポンペイウスとの対立と決戦。

勝利し独裁官へ。

カエサルの人生をなぞれる概説書です。

書中の各所でカエサルの抜群の行動力に触れられています。

その中でも「賽は投げられた」の言葉で知られるルビコン川渡河の時に見せた迅速な決断と行動は目を引きました。
ルビコン川渡河の時にはまだ殆どの軍勢はカエサルの元に到着しておらず彼の部下が率いてくることになっていました。
しかしそれを待っていては政敵ポンペイウスも対カエサルの態勢を整えてしまいます。
そこでカエサルは少数の軍勢でルビコン川渡河に踏み出します。
これが功を奏しポンペイウスは態勢が整いきらずローマを放棄して東方に撤退することになります。
「兵は拙速を聞く」「兵は神速を尊ぶ」の言葉があるように速さが勝敗を分ける戦いは戦史上多々あります。

カエサルはそれを理解していたのですね。

ちなみに日本でも信長などが行動力で優れていることで知られています。
桶狭間の戦いでは夜中に伝令の知らせを聞くと全軍に召集を命じます。
その後に幸若舞「敦盛」を舞うとすぐに出陣しようとしますが軍勢はまだ召集できていませんでした。
それを知った信長は軍の招集を待たず僅かな手勢で出陣します。
ルビコン川の時のカエサルと少し似ていますね。

最後に後世の学者の様々な評価が載っていました。

第二次大戦後の研究では今までの英雄的な評価から一人の人間としての評価に移りつつあるようです。

政治家としての評価は学者の中でも特に意見が分かれていてさして特別優秀というわけではないという意見も多くあるようです。

評価の紆余曲折はあれカエサルが後世に残した影響は極めて大きくローマは後継者アウグストゥスにより帝政に移っていきます。

カエサルは共和制から帝政へのレールを作ったことは間違いなく古代ローマ史を代表する英雄なのだと感じました。

<span class="bold-blue">流水</span>
流水

それではまた次回
いじょ~流水でした!

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この記事を書いた人

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