「なぁなぁ」再び!田舎に根付こうとする主人公
今回の紹介本
今回紹介する本はこちら!
タイトル:[神去なあなあ夜話]
編集:三浦しをん
ジャンル:小説
流水の感想
毎章最初に文を打ち込んでいる勇気のナレーション?プロローグがあり前作より短編形式っぽくなっていました。
そして今作は村に来てから一年がたち勇気が仕事に慣れてきたのもあり林業より神去村の言い伝えや班員や村人との交流が描かれています。
繁ばあちゃんの語る神去村誕生の昔話はなかなかアダルトな内容でした。
ちょっと話はそれますがこの昔話は小説の中の話ですが現実でも昔話の本来の話はアダルトな内容が多いですよね。
例えば桃太郎とか本来の話だと桃から生まれたのではなくて桃を食べて若返ったお爺さんお婆さんの実子ということになっています。
それが明治になって小学校の教科書に載せようという段階で「こんな内容では教科書に載せられないよ。」となり今の形になったそうです。
そもそもなぜそんな話を教材に選んだのだろうと疑問に思ってしまいますが・・・。
さて話は戻ってきっと神去村誕生昔話は村のなあなあ文化のおかげで今まで原話のまま語り継がれてきたのでしょう。
神去村には「そんな話は子供に聞かせたら教育上良くない!!」という人がいるとは思えません。
ヨキや親方である清一さんの過去と村に降りかかった悲劇を知りまた一つ村の一員になっていく勇気。
勇気がより深く村に溶け込みたいと思う辺りは前作と比べて神去村に対する愛着が増してここで生きていこうという思いが伝わってきました。
中盤からは前作でそれこそなあなあで終わってしまった直紀との関係がやっと本筋に入ってきます。
直紀の挙動に振り回される勇気と憧れの人への思いに複雑な直紀の恋の行方は・・・。
最後はやっぱりなあなあで読み終わって優しい気持ちになれました。
『舟を編む』(本の感想48)と『神去なあなあシリーズ』(本の感想64)を読んでもっと三浦しおんさんの作品を読んでみたくなりました。
それではまた次回
いじょ~流水でした!
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