大河ドラマ 青天を衝け【第19回 勘定組頭 渋沢篤太夫】 感想

【道は違えるが、互いに身しめて一橋を強くすんべぇ】

目次

あらすじ

幕府内では小栗が交易を推進するため日本の工芸品を諸外国に広く認知してもらうためにパリ万博への参加を考えます。
小栗が幕府財政の立て直しを図る中、栄一は一橋内の財政の立て直しを図ります。
手始めに品質が良い一橋領内の米を競り方式の売買に変更。
硝石の生成も始めます。
栄一が特に注力したのが木綿の売り方。
今まで品質は姫路産の物と大差ないにも関わらず売値は倍近く違っていました。
原因は一橋領の農民は生産した木綿をそれぞれ個人で売っていたのに対し、姫路では藩が買い上げ「姫路産木綿」としてブランド化して藩が売買を一手に担っていました。
このブランド化と藩という大手による一括売買を一橋でも行おうというものでした。
しかし、役人が農民のことを考えるなんてありえない。
自分らの懐だけ肥やすに決まっていると農民からの信頼が得られません。
栄一は農民との信頼関係が大事だと考え、彼らが商いをやりやすいように一橋の紙幣を発行しようと慶喜に相談します。
慶喜は、栄一の進言を受け一橋の紙幣を発行。
今まで銭を持ち歩くのは重さゆえに不便でしたが紙幣のおかげで商いがやりやすくなりました。
こうした行動のおかげで農民からも信頼を得て木綿のブランド化も成功しました。
今回の財政立て直しの功により勘定組頭に任じられる栄一でした。

一方、慶喜の方はというと開港問題で幕臣の中には朝廷を軽視し幕府の独断で開港しようという者たちが現れます。
彼らと朝廷の板挟みに苦しむ慶喜でしたが孝明天皇から信頼があったため何とか開港の勅許を得ることに成功します。
しかし、そんな矢先将軍家茂が倒れてしまいます。
ここから慶喜の人生が大きく変わっていくことになります。

感想

<span class="bold-blue">流水</span>
流水

どうも流水です。
今回流水が注目したポイントは二つです!
商人栄一再び
・商人栄一と武士喜作

◇商人栄一再び

今回久しぶりに商人栄一が出てきました。
相変わらず商才はピカ一!
次々と地域産業の振興を進めていきます。
流石「日本資本主義の父」ですね。
しかし、栄一が力を存分に発揮できるのも主君・慶喜栄一の施策を後押ししているから。
今回も貨幣製造を「おまえがそこまで言うなら」と後押ししてくれました。
今までは、そこまで慶喜と直接関わることが無く主従関係が描かれてきませんでしたが、今回を見ていると円四郎慶喜とはまた少し違ういい主従関係を築いていけているようですね。
栄一はかなり晩年まで慶喜と繋がりがあるのでここからもっともっと関係が深まっていくと思います。
その辺りどう描かれるか期待です!

◇商人栄一と武士喜作

今回の最後で栄一喜作が袂を分かちました。
喜作は栄一に対して「せっかく武士になったのに・・・」と勘定方になった栄一を批判しました。
喜作はせっかく武士になったのだから武士らしく生きたいという思いがあるようです。
対する栄一は自分は勘定方があっていると感じているようですね。
これは「おめぇはおめぇのまま生き抜け」という円四郎が言っていた言葉に繋がっているのかな~と思います。
しかし、袂を分かってもそれぞれの場所で一橋を支えるという思いは一緒のようでなんだかんだ言って二人の間には確かな絆があるのだと感じました。

史実ネタ

貨幣の根本とは?

渋沢栄一は【日本資本主義の父】と言われています。
そんな人物だけあってドラマ内で貨幣の根本について話が出てきましたね。
「貨幣は信頼によって成り立つ」
これは現在でも同じです。
一万円札の一枚当たりのコストは22円だそうです。
22円の価値しかない一万円札で一万円分のお買い物ができるのは日本人全員が1万円札には1万円の価値があると信じているからです。
だから、例えばアフリカの僻地に行って買い物をしようと思っても一万円札は使えません。
そこの人にとって一万円札は一万円の価値は無く、ただの紙切れでしかないからです。
この、貨幣の信用というのはその貨幣を製造している国家の信用です。
だから、国家の信用が無くなると貨幣の信用もなくなり価値が安定しなくなります。

日本は、世界的に見ても豊かな国で国家の信用もあることからあまりピンと来ないかもしれません。
米ドル、ユーロ、人民元、英ポンドと並び主要通貨の一角にあります。
そんな通貨だから円はとても安定していますが、例えば一昔前はジンバブエでハイパーインフレという物価の上昇によってお金の価値が下がり続ける現象が起き1ドル=3京5000兆ジンバブエドルという「ちょっと、意味わかんないです(;´Д`)」状態になりました。
最近だとトルコリラが乱高下しています。
最近の発展途上国では、国民の中で仮想通貨による資産形成を行う人が増えてきているようです。
その理由が「自国通貨よりも信用できる」という、なんというか国の立場からすればちょっと悲しい事態も起きています。

渋沢の言っていた話は現在に於いても通じる話なんです。
こういった資本主義に関わる話をさらっとドラマ内に混ぜてくる話の作り方は上手いと感心してしまいました。

来週へ

<span class="bold-blue">流水</span>
流水

来週は慶喜の将軍就任の決断が描かれると思います。
今週は栄一が主役、来週は慶喜が主役といい具合にダブル主人公になっていると思います。
果たして慶喜の将軍就任によって栄一の人生がどう変わりどう描かれるのか。
来週が楽しみです!
それではまた来週
いじょ~流水でした!

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この記事を書いた人

歴史好き/読書好きな一般サラリーマン
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