大河ドラマ 青天を衝け【第20回 篤太夫、青天の霹靂】 感想

【殿は遠いお方になっちまった】

目次

あらすじ

家茂が倒れたと聞き、慶喜は慌てて家茂の下を訪れます。
しかし、慶喜を嫌う幕臣達から中々面会を許してもらえませんでした。
やっと、面会が叶った慶喜に対し家茂は自分の思いを伝えますがその矢先に亡なってしまいます。

家茂が世継ぎのいないまま亡くなったことで幕府は次の将軍に慶喜を押します。
栄一としては既に幕府に未来はなくたとえ慶喜ほどの人物が将軍になったとしてもどうにかできるものではないと慶喜に将軍に着かないよう直談判
しかし、慶喜は幕臣や松平容保らから押されたこともあり徳川宗家を継ぎ、次期将軍となりました。
孝明天皇からも次期将軍として必ず長州を討てと念押しをされました。
こうして第二次長州征伐に出陣することとなり栄一も慶喜の供として本営に入ります。
しかし、薩長同盟により薩摩経由で最新式の武器を手に入れた長州に幕軍は大苦戦。
遂に前線拠点の崩落を受け慶喜は停戦を決意します。

慶喜が将軍になったことで栄一は幕臣となり陸軍奉行所のお役人になってしまいました。
そして、上役の代理として怪しい人物の詰問に向かうことになります。
その護衛として付いたのが新選組副長土方歳三。
無事怪しい人物を捕縛できた栄一は同じ百姓出身と知り土方と意気投合。
身の上が目まぐるしく変わる中で悩んでいた栄一でしたが久しぶりに百姓時代の気持ちを思い出し前向きに進み始めるのでした。

感想

<span class="bold-blue">流水</span>
流水

どうも流水です。
今回流水が注目したポイントは二つです!
将軍家茂
・土方歳三

◇将軍家茂

今までのドラマで家茂はあまりスポットが当たらない存在でした。
そのせいかパッとしない人物として描かれることも多かったと思います。
そんな家茂が青天を衝けでは若いながらも聡明な人物として描かれました。
また、和宮の夫として朝敵を討たんとしたり将軍に押してくれた井伊に報いんとする心意気があり人間的に好感が持てる人物像で描かれ今までの歴代家茂の中でもっとも良い家茂像でした。
夫婦仲も当初こそ輿入れを嫌がっていた和宮でしたが最終的には仲睦まじい夫婦となっており家茂の死がとても悲しいものとなりました。
流水としては今作の家茂、とても好きでした。

◇・土方歳三

今回、数か月ぶりの再登場を果たした土方歳三。
史実でも栄一の護衛をしたことがあるそうです。
同じ農民出身ということで打ち解けた二人。
武士になって身の振りで色々悩んでいた栄一にとって農民出の土方と話せたことは農民時代の「日本を変えたい」という心を思い出させてくれたように感じました。
最後に、喜作と顔合わせした土方ですが喜作と土方の付き合いは長いものとなります。
この二人は函館戦争まで共に戦い抜く盟友となっていきます。
その辺りがドラマ内で描かれるのを期待したいですね。

史実ネタ

今回は、ドラマ内であまり描かれなかった第二次長州征伐の幕府方の敗北について書きたいと思います。
第二次長州征伐は、兵数は幕府が圧倒的でした。
幕軍10万に対し長州は3千
普通なら話にならない戦力差です。
しかし、長州には二つの強みがありました。
それが、最新式のミニエー銃と近代式の散兵戦術です。
幕府軍が使用していたゲベール銃の有効射程は150mそこそこ。
弾丸は前込め式で銃身の先端から弾薬を装弾しなければならないため時間がかかります。
対して長州が使用した最新式のミニエー銃の有効射程距離は270m
弾丸は後装式で現在の銃と同様に銃身の後方から弾丸を装弾するため前込め式より装弾速度が速い。
つまり長州は敵の射程外から一方的に攻撃でき、かつ幕軍より早い間隔で打つことができます。
そして、長州が用いた散兵戦術がこの武器の有利を最大限に引き出しました。
散兵戦術とは兵たちが小隊として散開して兵一人一人が個別に敵兵を狙い撃つというもの、対して幕軍は戦国時代から変わらず大将を中心に軍団で行動し、大将の命令に合わせて攻撃していました。
散兵からしたら大きく動きの遅い的を相手の射程外から撃つのですから反撃される心配がありません。
幕軍はなんとか敵の銃弾をかいくぐり進んでも個人で動く散兵は直ぐに引くことができます。
距離を詰めれず一方的に撃たれるのですから話になりません。

こうして10万を擁した幕軍は3千の長州にまさかの敗北をきっします。
この敗北で幕府の威信は失墜し、倒幕の流れが加速していくことになります。

しかし、幕府も負けて終わりではありませんでした。
慶喜や小栗などの幕府中枢を担う優秀な人たちはこの敗戦から近代戦術の重要性を痛感し、フランスから最新式の武器を輸入し、軍事顧問の派遣を受け幕府も軍の近代化に着手します。
その辺りドラマ内で描かれるのか気になるところです。

実は後の鳥羽伏見の戦いの頃には、幕府でも近代式の軍隊が実戦投入できる段階になっているのですがそれはまたドラマで描かれたころに触れたいと思います。

来週へ

<span class="bold-blue">流水</span>
流水

来週は栄一がパリ万博に向かうことになります。
栄一が異国で何を思いどう行動するのか楽しみにしたいと思います。
それではまた来週
いじょ~流水でした!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

歴史好き/読書好きな一般サラリーマン
歴史のおもしろさや読んだ本の紹介などの記事を書いています。
もし興味を持っていただけたらブックマークなどしていだだけると嬉しいです。
Twitterもやってます。
記事更新の情報なども発信しています。

目次