あらすじ
江戸中吹き荒れる尊王攘夷論
村に戻った長七郎が江戸の惨状を伝えます。
幕政に反感を持つ栄一達ですが父の市郎右衛門は政に口を出すべきではないと言います。
しかし、栄一は民のことを考えない幕府はおかしいとお千代に吐露します。
幕府内では安政の大獄が行われ橋本佐内らが処刑。
慶喜は必要以上に厳格に謹慎します。
そんな、夫の性格を理解する美賀君は夫を謹慎に追いやった原因を作ったとして円四郎、春嶽に激怒。
政策を断行する直弼の身辺を心配をする家茂ですが直弼は気にしません。
そんな家茂に狂を披露する約束(フラグ)を建てる直弼。
翌日の登城の際に桜田門にて襲撃を受け絶命。
桜田門外の変の報に歓喜する栄一達。
襲撃犯が水戸藩士と知ってショックを受ける斉昭は心労がたたってか亡くなります。
一方栄一は江戸行きを我慢できなくなり遂に父親に直談判というところで次週に続きます。
感想
どうも流水です。
今回は一話丸々桜田門外の変でしたね。
直弼の描き方ですが流水が注目したのは以下の二点です!
・直弼の徳川への忠誠心
・桜田門外の変の拳銃使用説採用
◇直弼の徳川への忠誠心
今作の直弼は、先週の記事でも触れましたが徳川への忠誠心が高いです。
直弼の身を案じる家茂に対しても「将軍にいらぬ心配をさせない」というスタンスでした。
井伊家は家康より「徳川の先陣」と言われています。
また、関ケ原の戦いで赤鬼の異名を取った井伊直政が抜け駆け先陣を務めたことが戦後に家康が権力を掌握するために大きく貢献しています。
政策断行を一手に推し進めている様は徳川の先陣としての自負を感じました。
◇桜田門外の変の拳銃使用説採用
二つ目の注目ポイントは最近の説を取り入れているところです。
それが、桜田門外の変にて直弼へ拳銃での発砲があったというもの。
今までも拳銃の使用自体は確認されていましたが、あくまで襲撃の合図として使用されたと考えられていました。
しかし、最近になって直接直弼の殺害に使われたという説が有力になってきました。
こういう新しい説も積極的に取り入れているのは面白いですね♪
史実ネタ
今回は桜田門外の変について書きたいと思います。
前述でも触れていますが拳銃の使用がされたというのが最近の有力な説です。
これを裏付ける訳ではないですが、刀のみの襲撃が難しい理由がありました。
まず、直弼の周りには当然護衛の兵がついています。
襲撃犯はたったの18人。
護衛を突破して直弼を討つのは難しい。
そして、直弼自身がじつは居合の達人なんです。
直弼は新流派を起こすほどでその実力を伺い知れます。
ガチガチの護衛を突破してもラスボスは居合の達人。
刀だけの襲撃で打つのはあまりに無理があります。
だからこそ襲撃者は拳銃の使用を考えたのではないでしょうか。
桜田門外の変成功には天候も大きく影響しています。
当日は雪が降っており警護の武士たちは柄袋という袋で刀を覆っていたのです。
そのため、襲撃時に咄嗟に抜刀できなかったことで多くの警護兵が倒されてしまいました。
警護なのに不用心な気もしますが江戸太平250年が過ぎていたこの頃では襲撃はあり得ないという認識だったのかもしれませんね。
来週へ
私は、安直に対抗勢力が暗愚に描かれるのは好きではないので個人的に今回の直弼の描かれ方はとても好きでした。
今回のようなそれぞれの視点による価値観のぶつかり合いという描かれ方が今後も続くと非常に面白い作品になると思います。
それではまた来週
いじょ~流水でした!