【それがしは数年前にも道につまり、そのときにたまげた道を開いてくださったのが平岡様だった。それを今度は殿が開いてくださるとは…参ります!】
あらすじ
遂に慶喜が将軍職に就きました。
前回ではもう直に話すこともできないだろうと言っていた栄一ですが早々に慶喜から直々に相談がありました。
それは、パリ万博へ赴く慶喜の弟である民部大輔こと徳川昭武の同行員として共にパリへ向かうというもの。
日本が西洋外交に打って出る一大イベントへの随行員というだけでも大きなお役目ですが栄一には攘夷思想が強い水戸藩士達をなだめることも期待されての抜擢でした。
前回、自分の身の置き方に迷っていた栄一にとってここまで自分を買ってくれ、道を示してくれる慶喜に感激し僥倖と即座に承諾。
栄一と会った慶喜はその場で自分は繋ぎの将軍であること。
今後は世界を見てきた世代でなければならず昭武が留学から帰国次第将軍の座を譲るつもりであることを伝えます。
昭武随行員の顔合わせでは幕府方の若い世代が会しその中には若き日の福沢諭吉の姿もありました。
そして、栄一は聞き及んでいた小栗上野介とも話す機会を得ます。
出発に際し旧知の喜作には直接会いたいと思うも喜作は不在。
その後訪れた長七郎が繋がれた獄で喜作とばったり再開を果たします。
長七郎とも面談し、3人は昔牢屋まで囚人を見に行った時のことを思い出しました。
村の家族には手紙でフランス行きを伝え、いよいよ異国への旅路につくのでした。
感想
どうも流水です。
今回流水が注目したポイントは三つです!
・栄一と慶喜
・栄一と小栗
・栄一と喜作
◇栄一と慶喜
東照大権現の言葉を二人が口ずさんでいましたが、慶喜も栄一も国のことや幕府存続のことで危機を感じているにもかかわらずどこか和んだ雰囲気で二人の間に特別な主従関係が築かれたことを示すシーンになっていると感じました。
作中でも栄一が言っていましたがまさか将軍と談笑することになるとは、代官に談判していた頃の栄一からは考えられませんね。
慶喜は既に幕府は支えられるかわからないことを理解しつつ将軍職に就き昭武の帰還まで何とか支えるという描かれ方になっていますね
ここから、大政奉還、鳥羽伏見、江戸城無血開城が慶喜の視点でどう描かれるのか今から楽しみです。
◇栄一と小栗
将軍と談笑できるようになるとは驚きですが小栗と話す機会を得ることも昔の栄一からは想像できない事でしょう。
小栗はエリートの家柄なので豪農の栄一とは住む世界が違います。
この二人の邂逅も興味深かったです。
横須賀造船所やアメリカ訪問の話に触れていたのは歴史好きとしてうれしかったですね。
今作の小栗は慶喜と同じく幕府の存続自体が難しいことを理解しているようです。
慶喜と小栗、双方とも認識は同じでしたがこの先に訪れる最終選択に於いてそれぞれ違う選択をとるという形で描かれるのかなとこの先の展開を予想しながら見ていきたいと思います。
◇栄一と喜作
やっぱりこの二人は仲がいいですね。
前回の行き違いを感じさせない絆の深さを感じました。
これから栄一はパリ万博へ赴き、帰国した時には既に明治になっているので幕末から明治への国内の動乱は慶喜と喜作の視点で描かれることになると思います。
特に喜作は彰義隊や旧幕軍として戊辰戦争を戦い抜くので喜作始点の動乱がどのように描かれるのか楽しみです。
そして、その時は土方歳三も再登場するでしょうからそこも期待したいところです。
史実ネタ 小栗と日露戦争
今回は作中で「たとえ幕府が滅びても自分が行ったことが日本のためになれば・・・」と小栗が言っていたことについて書きたいと思います。
以前の史実ネタでも触れましたが小栗は明治以降の日本に大きく貢献しています。
その代表が横須賀造船所です。
その記事で紹介した東郷平八郎が小栗の子孫に言った「日露戦争の勝利は小栗さんのおかげ」というのはこの横須賀造船所のことを言っています。
なぜ横須賀造船所が日露戦争の勝利に繋がったかというと日露戦争の海上決戦である日本海海戦で大日本帝国海軍はロシアのバルチック艦隊に対し大勝利を収めました。
この海戦で主力となった艦船が製造されたのが横須賀造船所なのです。
小栗がいち早く近代造船所を作ったことで最新式の戦艦を自国で作れるようになった。
そのおかげで日本海海戦に勝てたと考えると小栗が後の日本に残した功績はとても大きい。
日本の歴史を左右したと言ってもいいと思います。
これだけの人物ですが中々幕末物ではクローズアップされてきませんでした。
歴史好きとして今回のドラマで思った以上に小栗がクローズアップされていてとても嬉しいです。
来週へ
いよいよ海外編が始まります。
栄一と昭武一行がどのように絡んでいくのか楽しみです。
また、幕府に先んじてフランス入りしている薩摩の描かれ方も気になりますね。
それではまた来週
いじょ~流水でした!
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